2008年9月15日、リーマンブラザーズが破綻して9.5ヶ月が過ぎました。最近では大手企業の社債発行が活発になり、資金調達は一服感があるものの、中小企業にとっては厳しい状況が続いている。中小企業に対する融資は政府系金融機関が存在感を際立たせ、体力のある地銀は地域経済を支えるため頑張っている。しかしメガバンクは中小企業に厳しい融資態度を取り続けていると云われています。
景気動向を整理すると「景気基準日付」では、2007年11月から後退期に入っていることが分かります。当社は2007年に3回の増築、生産機械の投資を行い2008年10月から上期比20%の増産要請に対する準備を行っていました。しかし景気は2007年11月から後退し始めています。マクロとミクロとでは業種や業種間の格差そして外需の依存度等によって時間差が発生しますので、この差を経営者がどのように判断していくかが、不況になったときの対応に現れてくると思います。
昨年までの好景気は2002年から始まった輸出主導の景気でした。好景気といっても年率2%程度で、一般的に好況感を実感できるのは5%以上と言われていますので、好況感の薄い成長でしたが、2007年10月が景気の山で、そこから下り坂になったとのことです。言い方を変えると昨年はもう不景気が始まっていたことになります。2007年11月から不景気に突入していたとすると、もう20ヶ月たっています。戦後の景気循環の平均後退期が17ヶ月ですから、景気は回復してもいいはずですが、よくなっていません。後退期間の最長が36ヶ月、2番目が1991年に 起きたバブル崩壊時の36ヶ月、3番目が1997年に起きた日本の金融危機時の20ヶ月、100年に一度の出来事と言われていますので、もう少し先になるのかなと思います。3月頃が底で最近上昇し始めたようですが。
お客様である建機・油機メーカーは急激に積みあがった在庫を削減するため、大変厳しい生産調整をしてきましたので、計画より数ヶ月遅れましたが、9月に在庫調整の目処をつけ10月から需要数と生産数が一致すると思われます。10月から回復といっても2008年上期の50~60%程度と予想していますが、損益分岐点売上高を 1/3程度にまで改革しましたので、売上のV字回復は望めませんが、損益のV字回復は可能と考えています。この厳しい期間、我々は生産管理改革プロジェクトを完遂し、仕組みで仕事が出来る体質に変え、5S・TPM活動をベースに全員参加で乗り切っていきます。もう少しの辛抱です。