茨城経協11-5月号 トップインタビュー(4)

 坂寄 この未曽有の災害を前にして、平然としておられたわけは・・・・?

高橋 「どうしようもない」というときがありますね。いくら考えても何もできないことがありますが、今回はどうしようもない現象に遭遇しながらも、すぐに情報を収集し現場を確認したところ「頑張ればできる」と思いました。そしてその後の対応についていろいろと手を打つことが出来ました。当社では、生産性向上を図るため、3年に1回位の割合で、大幅な機械のレイアウト変更を行っています。社員は機械の水平出しなどの手順について充分慣れていました。この経験は工場の復旧作業に大いに力になりました。

坂寄 地震から10日後の22日には生産設備の復旧作業をすべて終え、連続生産が可能になったことから、次の課題は何になりますか。

高橋 今回の災害では、幸いにも①人的災害がなく、②海外のインフラ関連による経済活動が好調なため、受注環境も良く、モノを作れれば復旧・復興のスピードは上がると思っています。経営的にも2011年度の業績では、前半は落ち込むものの後半に入ると挽回計画による増産が見込まれますので、現段階での計画修正は考えていません。

 お客様の大手は日立建機、コマツ、KYBの3社で、多かれ少なかれ震災の影響が出ています。復旧のスピードにも早い・遅いの差はありますが、いずれ回復して順調な生産になる時のために当社は在庫を作っておきたいと思っています。夏場の節電対策も検討しています。従来から当社は8/12、13、14、15、16をお盆休みにしていましたが、さらに今年は8/17、18、19の3日間も休んで、土曜、日曜を入れて21日まで10日間を休みます。追加した3日の休みは10月、11月、12月の土曜日を1回ずつ出勤にして振り替えると、挽回計画にも合うことになるでしょう。

坂寄 メーカーの場合、節電計画の対策づくりに苦労するところが多いようですね。

高橋 たぶん15%の節電はいけると思っています。最近は電気に関して無頓着になっていますからね。ピーク時に警報が鳴るようにするとか、いろんな待機電力を節電するために電源を切ってしまうとか、早出・サマータイム制等いろいろアイディアを出しあって検討しています。25%節電はきついでしょうが、15%はなんとかして実現したいと思っています。

前の記事へ一覧へ戻る次の記事へ

最近のエントリー

カテゴリ

月別に見る

検索


ページ先頭へ