令和2年春の叙勲 旭日単光章受章(1)

令和1(2019)86日、総務部より内閣府の方からお電話ですと連絡があった。内閣府に知り合いはいないので、何の要件だろうと思いながら、受話器を取り上げたところ、令和2年の春の叙勲候補者に上がっております。お受けしますか、お受けしませんかとの問いだった。思いもかけないことだったので、一瞬間をおいて、お受けしますと返事をした。46年前に東京都品川区の本社に、入社すると同時に、茨城工場に赴任した。従業員は私を含めて4人で、私は創業者の父から旋盤・フライス盤・直立ボール盤等の作業を教わり、部品加工の作業者として従事した。成功するかも分からないまま、倒産だけはしたくないとの気持ちで、がむしゃらに働いたことが走馬灯のように思い出された。

その後すぐにメールで、経済産業省関東経済産業局の担当者から、令和2年春(予定)の「中堅・中小企業経営者叙勲」の候補として挙がっていることから、 項目の確認をしたい旨の内容だった。受章の意思の確認、過去の褒章叙勲の  有無、他の期間よりの叙勲の候補の有無、創業20年以上・社長歴4年以上、直近の決算の状況(黒字又は赤字)、直近の決算が赤字であった場合、赤字の要因が外部要因であればその理由の記載、候補者が社長就任後業績の状況、任期中の大幅な従業員減少の有無等、「栄転環境の調査・確認の徹底について」の要領書についての質問だった。

功績調書・履歴書・企業概要は容易に作成できたが、売上等推移表の作成が大変だった。社長歴27年間の業績(売上高・経常利益・従業員数)の作成が大変だった。直近の決算が赤字の場合との注釈があったが、過去3年間黒字を確保していたので、作成は容易であった。しかしバブル崩壊直後に社長に就任し、27年分の業績一覧表の作成には大きく時間を割かなければならなかった。特に不況で赤字の要因が外部要因であれば、その理由と従業員減少を記載することである。国内金融危機・リーマンショック・中国需要の経済不透明による長期の不況等を記載した。従業員減少の理由は不況による従業員の自然減を補充しなかったと記載した。提出書類を何度か修正し叙勲担当者の了解を得た後、来年の429日に閣議決定あるので、それまでは口外しないように念を押された。

令和2年(2020)317日、叙勲受章の内定通知をいただき、令和2年春の勲章の内示書に必要項目を記載し、提出した。その際本件内示はあくまでも本人に対するものであり、外部に漏れることのないよう情報の取り扱いには注意くださいとのことだった。しかし新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で政府は416日、特別措置法に基づく緊急事態を受けて、428日経済産業省関東経済局から、令和2年春叙勲について、伝達式・拝謁が中止となったことに伴い、緊急事態宣言解除後に弊局より勲章等を受章者様に伝達すること、叙勲については、明日4月29日に新聞に掲載される予定との連絡をいただいた。その後717日、関東経済産業局担当次長と担当者が来社され、研修室において賞状と勲章の伝達式を執り行った。弊社の幹部も伝達式に加わり、記念写真を撮った。8月27日に宮殿見学会が実施され、経済産業省本館行動に集合し、バスにて皇居「春秋の間」を見学させていただいた。木造建築の粋を集めた皇居は、外国の宮殿に優るとも劣らないと思った。素晴らしかった。

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