「日本橋から歩いて、今日で6日目です。京都の三条大橋まで歩いていきます。」と答えると二人ともに驚いた表情を浮かべた。「頑張ってください」と云われ、ここまで歩いて6日目。初めて行き交う人との短い会話だったが、妙に元気が出てきた。声を掛けてくれてありがとうと心の中で思った。非常事態宣言下では街中は別として行き交う人は本当にすくなかった。昼食はコンビニでおにぎり1個とスポーツ飲料2本を購入して、短い昼食をとった。この後は箱根峠、鈴鹿峠とともに東海道三大難所と云われた小夜の中山峠を越えて、急坂の二の曲りを下っていくと日坂宿に到着する。人の気配が全くない山道を日坂宿目指して歩いた。日坂宿は江戸期の町割りと旅籠が残る小さいながらも貴重な宿場町で、宿内は約700m、人口750人、旅籠は33軒あり、当時の面影を残している。日坂宿を通り、宿泊地の掛川宿に向かった。掛川宿は内助の功で有名な山内一豊が整備した城下町、そして宿場町である。足の運びは快調だ。目印の掛川駅近くの馬喰橋を通過すと、本日宿泊するホテル「スマイルホテル掛川」に向かい、17時に着いた。到着予定時間を1時間以上オーバーした。道の間違いを2回もして4~5km余計に歩いたのが影響した。チェックインしてバスタブに水を張り、足を冷やした。汗を流して、掛川駅近くの「ウナ専」という店で特上のうなぎを注文、ビールも頼んだ。東海道五十三次の旅で初めてビールを飲んだ。9時就寝。