2009.02.26
新年明けましておめでとうございます。
昨年は9月のリーマンショックによるアメリカ発の金融危機の影響で世界同時不況の様相を呈してきました。我々もこの影響を受け、2008年の前半は過去最高の受注と生産でしたが、後半は過去に例のない受注の減少と生産の急激な縮小のため、売上高も計画比20%減少が予想される厳しい年となりました。
2009年の予測は、実質国内総生産(GDP)の伸び率で08年度マイナス1.0%に続き09年度はマイナス0.9%となり、10〜11年前に起こった山一證券など大手金融機関の破綻やアジア通貨危機以来の2年連続マイナス成長が予想される厳しい年になるものと思います。回復の条件としては①アメリカの新政権が打ち出す景気対策の効果がいつ出るのか②中国など新興国の安定成長③金融市場の混乱収束が必要条件であると言われています。まさに日本の景気回復は輸出に頼らざるを得ない面があるからです。我々の会社は輸出関連の売上が80%を占めるわけですから、輸出が回復しないと売上の回復は期待出来ないと思います。お客様の急激な在庫調整が1〜3月で一段落し、4月から需要にあった生産量に回復するものと思われますが、その生産量は3・4年前のレベルになる大変厳しい年になると予想されます。
昨年10月に打ち出した重点五項目の対策「①勤務体制の変更②残業時間の規制③在庫・仕掛品の大幅な削減・④刃具工具・消耗品・油の削減⑤作りすぎ・買いすぎ禁止」と生産管理システム改革が基本になりますが、まだ十分な効果が出ていません。
この危機に際して全員がコスト意識を持つことを求めます。昨年暮れに配管のエアー漏れが42箇所発見され既に24箇所が修理され、部品がそろう20日までに全箇所の修理が終わります。10月から経費の削減をお願いしましたが、エアー洩れの発見に3ヵ月もかかってしまいました。その間コンプレッサーが回り続け電気代を垂れ流していました。あまりにもコスト意識が欠如しているといわざるを得ません。これは一つの事例です。このような事例が他にもたくさんあると思います。全員が危機意識とコスト意識を持ち、日々の業務に取り組んでください。そして2009年を生き残り、体質改善が進んだ時に、真の中小企業から中堅企業に生まれ変わった最初の年であるといえる年にしたいと思います。しかし、「経営を変革する」と言っても、短期的な構造改革だけでは十分ではありません。今こそ我々は協立の強みであるスプールに代表される部品の一貫生産の競争力を更に強くしていくことです。これらを武器にしてOEM製品であるポンプやバルブの競争力を強化していくことです。一方弱みは生産管理システムの運用の悪さや不良品の多発から来る生産性が悪さです。我々は、改善点は分かっています。全員が一緒になって改善しましょう。真の中小企業から中堅企業に変革し、挑戦と創造をコンセプトに「他社よりも優れた品質・コスト・納期で適格にお客様に対応し信頼性の高い会社」を目指して頑張りましょう。
しばらく続くと予想されるこの状況を「思っても見なかった不幸な時期」として首を引っ込めて過ぎるのを待つか、それとも「いまこそ企業力再構築のチャンス」と捉えるかで、その企業の将来はまったく違ってくると思われます。
以上で年頭の挨拶といたします。